まだ終わっていない

小説を一冊読み終えました。

小説を読むという行為は大量のエネルギーを消耗します。
疲労困ぱいです。

まだ、新書(入門的教養書やノンフィクションを収めた叢書(そうしょ)のこと)の方が読みやすいし、
資格試験の勉強の方が疲れない気がします。

なぜなら、小説を読むという行為が単なるインプット作業ではないからだと考えます。
物語を記憶しながら、著者がこの表現から何を伝えたいのかを考えながら読むということが肉体的にも精神的にも体力を消耗させるのだと考えます。





以下に、「ヘヴン」(講談社川上未映子著)のネタバレを含みます。


















この物語は恐怖でした。
陰湿ないじめの描写は恐いですがそれだけではありません。
主人公と百瀬の会話は衝撃的でした。百瀬はあまりに論理的でした。
おそらく間違っているであろうことを言っている百瀬に対して、僕は反論することができない。

いや、そもそもこれは議論になっていないから反論も何もないのか。
分からない。
この物語は不思議なことが多い。
だから、恐怖を感じました。

不思議①
「なぜ美術館に来たコジマは泣き出してしまったのか。」

不思議②
「コジマがお母さんを絶対に許せない理由が、最後までお母さんがお父さんを可哀想だと思い続けなかったこと、なのはなぜなのか。」

不思議③
「くじら公園でコジマがあのような行動にでたのはなぜなのか。」

不思議④
「善悪とは何なのか。」

不思議⑤
「主人公が斜視を矯正する手術をして、その後、眼にした光景に涙を流したのはなぜなのか。」


不思議⑤に関しては今現在で答えはだいたい出ていますが、悲しい気持ちでいっぱいです。
でも、もしかしたら、違う解釈ができるかもしれません。

これらの不思議を解決するためにもう一度、小説を読み返そうと思います。